メディカルダイエット、スーグラ+アカルボースは相乗効果を発揮するか?大阪の美容皮膚科医が解説
こんにちは、A&Oクリニック大阪中津です。
メディカルダイエットにおいて「スーグラ(SGLT2阻害薬)」と「アカルボース(α-グルコシダーゼ阻害薬)」の併用は、相乗効果を発揮する可能性があります。それぞれ異なる機序で体重減少に寄与するため、糖質代謝への多角的なアプローチが可能です。
以下に、それぞれの作用メカニズムと併用のメリット・注意点をわかりやすく解説します。
■ 1. スーグラ(一般名:イプラグリフロジン)の特徴
SGLT2阻害薬という分類の糖尿病治療薬。
腎臓での糖の再吸収を抑え、尿中に余分な糖を排出することで、血糖値を下げると同時にカロリーも排出。
1日に排出される糖質量は約60〜80g(240〜320kcal)で、これにより体脂肪の減少や体重の自然な減少効果が期待される。
また、内臓脂肪を優先的に減らす作用があるとも報告されている。
■ 2. アカルボース(商品名:グルコバイなど)の特徴
**α-グルコシダーゼ阻害薬(α-GI)**という種類の薬。
小腸での糖質(デンプンなど)の分解を遅らせ、糖の吸収速度を抑えることで食後血糖の急上昇(血糖スパイク)を防止。
結果としてインスリン分泌を安定させ、脂肪蓄積を抑える効果がある。
また、空腹感や過食の抑制にもつながる。
■ 3. スーグラ+アカルボースの併用による相乗効果
この2剤は作用部位とメカニズムがまったく異なるため、補完的に働きあい、ダイエット効果を高める可能性があります。
① 糖質の吸収量を制限しつつ、吸収された糖を排出する
アカルボース → 糖の吸収速度を遅くし、血糖スパイクを抑制
スーグラ → 吸収された糖を尿中に排出して、実質的なカロリーカット
→ 結果として、糖の摂取・吸収・蓄積すべてに対して多段階のブロック効果が生まれます。
② インスリン分泌を安定化させ、脂肪蓄積を防ぐ
血糖値の急上昇を抑えることで、インスリン過剰分泌を防止。
インスリンは脂肪合成を促進するホルモンのため、過剰分泌を抑えることが痩せやすい体質に繋がる。
③ 体重減少・内臓脂肪減少・リバウンド予防への期待
スーグラ単剤では約2〜3kg程度の体重減少が報告されており、食後過血糖や糖質依存が強い人にアカルボースを加えることでさらなる減量が見込まれる。
食欲コントロールの面でも相互補助的。
■ 4. 注意点とデメリット
低血糖のリスクは少ない(両薬剤ともインスリンを直接増やす薬ではない)ですが、糖質制限をしすぎると倦怠感やケトーシスのリスクが出る可能性あり。
アカルボースの副作用として、おなら・腹部膨満感・下痢が出ることがあるため、少量から開始し、整腸剤との併用も検討されます。
スーグラは尿路感染・脱水に注意が必要なため、水分補給はしっかりと。
■ まとめ
スーグラは「吸収された糖を排出する」薬。
アカルボースは「糖の吸収そのものを抑える」薬。
作用機序が異なるため、併用により糖質代謝の各段階に作用し、体重減少効果や内臓脂肪改善が高まる可能性がある。
副作用や体質を考慮し、医師の管理下で併用を判断することが大切です。
ご希望があれば、この2剤を含めた段階的なメディカルダイエットプラン(例:GLP-1との併用・注射+内服の組み合わせ)もご提案可能ですので、いつでもご相談ください。